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有間皇子(ありまのみこ)

生没 640~658.11.11 孝徳天皇の皇子。母は阿倍内麻呂(あべのうちのまろ)の女小足媛(おたらしひめ)。父の死後657年(斉明3)狂人を装い,牟婁温泉(むろのゆ)(現,和歌山県白浜町)に湯治に行く。これは,皇子が有力な皇位継承候補者で,反体制派の豪族層のよりどころとして中大兄(なかのおおえ)皇子らから危険視されているのを避けたものと考えられる。翌年,中大兄皇子の意をうけた蘇我赤兄(あかえ)の訪問をうけ,現体制への批判の言葉を聞かされて反乱を決意。そのために捕らえられ,与党とともに天皇らの滞在する紀温泉(きのゆ)(牟婁温泉)に送られ,中大兄皇子の訊問をうけたのち藤白坂(ふじしろさか)(現,和歌山県海南市藤白)で絞殺された。紀伊護送中に皇子の詠んだ歌,および皇子の死をいたんだ後人の歌を「万葉集」に収める。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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