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アララギ

1908年(明治41)10月正岡子規系の根岸短歌会の機関誌として発刊,歌壇の主流として今日に至る。08年2月に「馬酔木(あしび)」の後継誌「アカネ」が創刊されたが,伊藤左千夫と三井甲之(こうし)との対立により,左千夫は発行人蕨真(けっしん)の「阿羅ゝ木(アララギ)」に参加。翌年9月島木赤彦の「比牟呂(ひむろ)」と合併して発行所を左千夫方に移す。古泉千樫(ちかし)・中村憲吉ら俊英が結集,万葉主義と写実を基本とした。大正期には左千夫批判を契機に斎藤茂吉・島木赤彦が,おのおの「実相観入」「鍛錬道」を提唱し,理想と実作の面で主導的立場に立つ。昭和期には土屋文明が引き継ぎ,生活に即した思想詠を実践。傘下に佐藤佐太郎・山口茂吉・吉田正俊・柴生田(しぼうた)稔らを集め,系列誌も多い。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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