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荒事(あらごと)

歌舞伎の演技演出術。上方の和事(わごと)に対し,江戸歌舞伎を象徴する。隈取(くまどり)・六方(ろっぽう)・つらね・ニラミ・神仏のまねなどの要素を伴い,非写実的・幻想的な劇空間を創造。基礎を築いたのは初世市川団十郎で,「江戸芝居年代記」は1673年(延宝元)14歳で初舞台を踏んだ「四天王稚立(おさなだち)」での坂田金時役をそのはじめとするが,役者評判記類は85年(貞享2)「金平六条通(きんぴらろくじょうかよい)」の金平役を嚆矢とする。初世団十郎の荒事は,旗本奴や町奴といった無頼の徒が徘徊する江戸の精神風土に根ざし,金平浄瑠璃から想をえたという。その後2世団十郎が「家の芸」として完成させ,天保年間に至って7世団十郎が歌舞伎十八番を制定した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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