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安倍氏(あべうじ)

�@平安時代東北地方の豪族。中央氏族の阿倍氏と同じく大彦(おおひこ)命を祖と称する系譜もあるが不詳。11世紀前半の忠頼・忠良父子以来,奥六郡(陸奥国北部,衣川以北の胆沢(いさわ)・江刺(えさし)・和賀(わが)・稗貫(ひえぬき)・紫波(しわ)・岩手の6郡)で俘囚(ふしゅう)の長として勢力を振う。忠良の子頼時に至り,支配圏を拡大しようとして中央政府と衝突。この前九年の役の過程で頼時および子の貞任(さだとう)は戦死,宗任は捕虜となり,安倍氏は滅亡した。津軽安藤氏・出羽秋田氏・九州松浦党(まつらとう)などは安倍氏の子孫と称する。�A平安中期以降陰陽道(おんみょうどう)・天文道に多くの人材を輩出した氏。すべて安倍晴明(せいめい)の子孫。この安倍氏も吉志舞(きしまい)を奉仕することから大化前代以来の名族阿倍氏とつながっていると思われるが,詳細は不明。系図類では右大臣阿倍御主人(みうし)の末裔とするが疑問。平安後期以降は天文道での支配的地位を独占し,陰陽道でも賀茂氏とその地位を二分。近世以降は嫡流の土御門(つちみかど)家が陰陽道・暦道をも独占的に支配した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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