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阿仏尼(あぶつに)

生没 ?~1283.4.8 鎌倉中期の歌人。女房名は安嘉門院四条(あんかもんいんのしじょう)。実父母は不詳。平度繁(のりしげ)の養女。日記「うたたね」は若き日の失恋の顛末を記したもの。30歳頃藤原為家の側室となり,冷泉為相(れいぜいためすけ)らを生む。為家没後,播磨国細川荘の相続をめぐり,嫡妻の子為氏と争い,1279年(弘安2)訴訟のため鎌倉に赴く。その折の紀行と鎌倉滞在の記が「十六夜(いざよい)日記」である。訴訟の結果をみずに60余歳で鎌倉で没した(帰京後没したとする説もある)。「弘安百首」などに参加。関東十社に勝訴を祈願して奉納した「安嘉門院四条五百首」や「安嘉門院四条百首」などがある。歌論書に「夜の鶴」があり,為相にはじまる冷泉派歌学の礎を築いた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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