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足利学校(あしかががっこう)

中世,下野国足利(現,栃木県足利市)に設けられた儒学・易学の学校。草創の時期や状況は不詳だが,室町中期の永享頃に,足利荘を管轄した関東管領上杉憲実(のりざね)が,鎌倉円覚寺の僧快元(かいげん)を足利に招いて学校を再建。第1世庠主(しょうしゅ)となった快元は易学に精通し,憲実は多くの漢籍を寄進して学校を保護した。憲実の子憲忠も「周易註疏(ちゅうそ)」を寄進し,孫憲房も「孔子家語句解」などを寄進した。上杉氏の保護をえて栄えたが,享禄年間に火災で多くの書籍を失い衰微した。1560年(永禄3)庠主九華(きゅうか)は,小田原の北条氏康父子と対面してその信頼をえ,後北条氏の後援のもと再建をはたし,生徒の数3000人と記される最盛期を迎えた。徳川家康が江戸に入ると,庠主三要(さんよう)(閑室元佶(げんきつ))は家康に近侍してその保護をえ,衰微することなく存続した。国史跡。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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