按司(あじ)
「あんじ」とも。近世の首里(しゅり)王府においては位階名だが,古くは沖縄の各地に割拠した政治的支配者のこと。語源については定説はない。按司が発生したのは12世紀頃で,沖縄の各地でおこった村落間や地域間抗争の統率者・指導者が起源であったと考えられる。13~14世紀頃には鉄製品や鉄塊を輸入する按司が現れ,他の按司を従える強力な支配者,すなわち「世の主」が登場する。沖縄全体の世の主となる国王が出現しても,第一尚氏(しょうし)王統までは按司は各地の城塞に割拠した。しかし第二尚氏王統の尚真王代の1523年に王都首里城下に集められ,地方には按司掟(あじおきて)が派遣された。近世には国王と王子に次ぐ位置を示す位階名となった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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