字(あざ)

名所(などころ)・小名(こな)・下げ名とも。市町村内の行政区分。大字と小字とがある。複数の大字によって町村が構成され,大字はいくつかの小字からなる。小字は土地区画以上の意味をもたないが,大字は共同体としての側面をあわせもっている。字付帳に記載され,近世には行政単位として使用された。明治期以降,三新法や町村制の整備とともに江戸時代の村が大字となるなど,地方制度として確立した。現在も市町村の最小行政単位として位置づけられている。名称は山林や田畑など自然発生的なものや,寺院名に由来するものなどがある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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