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赤穂事件(あこうじけん)

1702年(元禄15)12月14日,播磨国旧赤穂藩の浪士47人が吉良義央(よしなか)を襲撃して殺害した事件。前年3月14日,勅使饗応の席で赤穂藩主浅野長矩(ながのり)が吉良に刃傷し,即日切腹,浅野家はとりつぶされた。旧臣たちは,当初御家の再興を期待する穏健派と即時主君の怨みを晴らすべしとする急進派とが対立したが,前者が挫折した結果,討入りとなった。浪士たちは翌03年2月4日,徒党を組み幕府高官を殺害したとの理由で切腹させられた。この事件は,浪士らの行動が義にかなったものか否か,とりわけ主君への忠誠という武士意識と幕法への違反という道徳の相剋をめぐって儒学者を中心に論争の的となった。事件後「仮名手本忠臣蔵」など演劇・文学の題材にもなり,日本人の心情倫理ともからんで,現在でも映画やテレビなどでとりあげられている。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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