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上知令(あげちれい)

「じょうちれい」とも。上地令とも。江戸後期の天保の改革の政策。1843年(天保14)6月,幕府が江戸・大坂10里四方の私領をほかに替地を与えて収公しようとしたもの。その目的には,幕府収入の増加,将軍による土地所有権掌握の再確認,江戸湾防備体制の強化などが指摘される。しかし年貢収入が減少する大名や旗本のほか,領主交代による年貢増徴や貸金の棒引きをおそれた農民や町人の間でも強力な反対運動がおこり,幕府内の意見も分裂したため,閏9月7日撤回。これが契機となり,天保の改革を主導した老中水野忠邦は同月13日に罷免され,改革は失敗に終わった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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