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安芸国(あきのくに)

山陽道の国,現在の広島県西部。「延喜式」の等級は上国。「和名抄」では沼田(ぬた)・豊田・賀茂・安芸・佐伯・山県・高宮・高田の8郡からなる。国府は平安時代には安芸郡(現,府中町),国分寺・国分尼寺は賀茂郡(現,東広島市)におかれた。一宮は厳島(いつくしま)神社(現,廿日市市宮島町)。「和名抄」所載田数は7357町余。「延喜式」では調庸として綾・絹・糸や塩を定め,中男作物にみえる安芸木綿(あきのゆう)は高級品とされた。平安末期には平氏との結びつきが強く,平氏政権下では院や貴族の厳島詣が盛んであった。鎌倉時代には武田・宗・名越氏らが守護となり,この間に安芸武田氏が勢力をのばした。南北朝期には銀山(かなやま)(現,広島市)が守護所とされ,安芸武田氏や今川貞世が守護を勤めた。戦国期に大内氏が勢力を拡大して守護方を圧迫するが,陶晴賢(すえはるかた)が大内氏に謀反をおこしたのを機に毛利元就(もとなり)が国内を統一し,近隣諸国をも支配下に組み入れた。関ケ原の戦後,福島正則が一国を支配。1619年(元和5)福島氏改易後,浅野長晟(ながあきら)が広島城主となり,以後幕末まで続く。1871年(明治4)廃藩置県により広島藩は広島県となる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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