アエノコト
稲の収穫後,田の神を家に迎えて饗応する奥能登地方の農耕儀礼。12月5日(旧11月5日)の早朝,ゴテとよぶ戸主が山から木を採り,これを座敷の種籾俵に立てる。夕刻に田の神を家に招き,甘酒を供えたあと風呂に案内し,つづいて座敷で膳をすすめ,言葉をかけつつもてなすなど擬人的な儀礼を行う。その後,田の神は家に滞在して翌年2月9日(旧正月9日)に,迎えたときと同様の作法で田に送り返す。田の神とともに稲種子を祭る稲作行事である。類似の儀礼が福井県越前市や鳥取県中・西部にもみられる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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