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陳和卿(ちんなけい)

「ちんわけい」とも。生没年不詳。平安末~鎌倉初期に活躍した中国宋の工人。鋳造や建築に造詣が深く,日本に新しい技術を伝えた。商用で来日し,1182年(寿永元)に帰国しようとしていたとき重源(ちょうげん)に請われ,80年(治承4)の兵火に損傷した東大寺大仏の復興事業に参加。とくに困難をきわめた大仏頭部の鋳造には中心的な存在として活躍。85年(文治元)の開眼供養後,大仏殿の再建にも従事した。しかし当初から日本の工人と不和を生じ,やがて重源とも別れた。1216年(建保4)に鎌倉に下り,将軍源実朝のため渡宋用の唐船を造るが失敗,その後の事績は不明。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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