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町人嚢(ちょうにんぶくろ)

町人の心得を説いた教訓書。5巻・補遺2巻。西川如見(じょけん)著。1719年(享保4)刊。如見は江戸中期の天文・地理学者としても名高いが,鎖国下の唯一の貿易港,幕領長崎の有力町人。町人意識が明瞭に示され,身分秩序は肯定しながら「畢竟(ひっきょう)人間は根本の所に尊卑有べき理なし」とのべ,庶民の人間としての尊厳を強調する。広く流布し,のちの町人向け教訓書にも影響を及ぼした。「日本経済大典」「日本思想大系」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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