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長州戦争(ちょうしゅうせんそう)

幕長戦争とも。幕末期,萩藩への制裁とそれをめぐる政争。�@第1次。1864年(元治元)7月,萩藩は禁門の変で敗北,朝廷は長州征討を発令した。幕府は西国21藩に出兵を命じ,11月18日総攻撃,15万の幕府軍が萩藩を囲んだ。しかし萩藩内では佐幕派が勝利し恭順の意を示したため,総攻撃は中止,以降長州処分の問題が政権構想とからんで政治問題となった。�A第2次。萩藩では第1次撤兵直後,クーデタで討幕派が主導権を握った。1865年(慶応元)4月幕府は萩藩に容易ならざる企てがあるとして再征を布達したが,萩藩は武備恭順を藩是とし,幕府の藩主召命を拒絶した。9月2日幕府は征長の勅許を得,66年1月には長州処分案を決定,32藩に動員を命じたが,同時期に薩長連合が成立していた。萩藩は幕府の処分案を受諾せず,6月7日幕府は攻撃を開始。しかし武州一揆や打ちこわしが激発,戦況も幕府側に不利であった。こうしたなかで7月将軍徳川家茂が没し,名代となった徳川慶喜(よしのぶ)は休戦,9月19日撤兵を命じた。結果として幕府の威信の低下を露呈,長州処分問題が課題として残された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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