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鳥獣人物戯画(ちょうじゅうじんぶつぎが)

京都高山寺に蔵される4巻の白描絵巻。詞書(ことばがき)なし。鳥羽僧正覚猷(かくゆう)筆の伝承があるが,本来筆者も制作年代も異なる絵巻の残欠を,1570年(元亀元)頃ほぼ現在のかたちにまとめたもの。甲巻は,蛙と兎の相撲や猿僧正の法会など,擬人化された動物を風刺をきかせて描いたもので,12世紀半ば制作。乙巻は,甲巻と同じ頃の制作とみられるが,物語性はなく,牛・馬などの身近な動物のほか獅子・象・麒麟などが描かれ,絵手本的な性格をもつ。丙巻は,12世紀後半頃の人物戯画と13世紀初頭の動物戯画からなる。丁巻は,13世紀前半頃の人物戯画で,筆を粗く略した軽妙な描写。各巻縦30.6~31.3cm,横1107.1~1215.9cm。断簡が東京国立博物館ほか諸家に分蔵。国宝。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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