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牒(ちょう)

公式令(くしきりょう)に定める文書様式。養老公式令では内外の主典(さかん)以上の官人が諸司に上申する文書の形式。書出文言は「牒」,書止文言は「謹牒」で,年月日の下に官人が「官位姓名牒」と署した(三位以上は名を略す)。大宝公式令での存否は不明。実例はほとんど残らず,772年(宝亀3)8月11日の出雲国員外掾大宅朝臣船人牒(「薬師院文書」)などのまれな例でも,「謹牒上」の書出・書止文言であるなど,公式令の書式とは異同がある。実際の官人個人の上申文書としては,奈良時代以来,解(げ)の形式の文書が多く用いられた。別に僧綱(そうごう)・三綱(さんごう)が俗官と相互に文書伝達を行うとき,「移」を「牒」の文字におきかえて移の書式を用いた移式準用の牒もあった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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