チャシ

北海道から千島・サハリンの各地にアイヌの人々がチャシとよぶところがある。それは川や湖・海などに面して突きでた,見通しのよい台地上などにあることが多く,溝や土塁で囲まれている。アイヌ同士の争いや倭人との争いの伝承をもったり,英雄の居館または祭祀の場であったりする。発掘調査によって,近世の陶磁器・漆器・鉄器などが発見されることが多い。チャシの起源や初現年代などは今後の研究課題であり,個々のチャシがアイヌ民族史のなかでどのような位置を占めていたかも明らかにされねばならない。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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