茶(ちゃ)

嵯峨天皇の代に朝廷で栽培して製茶をした記録があるが,そのときの製法は中国伝来の団茶(だんちゃ)であったらしい。鎌倉時代,栄西(えいさい)が宋で流行していた抹茶をもたらし,禅寺を中心に薬用や覚醒用として普及した。これをもとに茶の湯が発展し,千利休によって大成されるが,これとは別に,自家製のいわゆる番茶が庶民の飲物として,茶樹が自生する西日本で広く利用された。九州では結納のことを茶入れといい,番茶を嫁方に贈る習慣がある。茶粥などのように主食に準じる食物のベースとして茶を利用する地方も多い。茶を喫することが団欒(だんらん)やもてなしの象徴ともなり,たんなる飲料としてだけでなく,食全般や社会生活のなかで大きな位置を占めている。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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