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道守荘(ちもりのしょう)

越前国足羽(あすわ)郡にあった東大寺領初期荘園。荘域は福井市西部の足羽川・日野川間一帯とされる。749年(天平勝宝元)に東大寺使らが占定した野地(北半部)と,数年後に生江東人(いくえのあずまひと)が寄進した墾田100町(南半部)からなる。総計380町程度で,越前国の東大寺領荘園では最大。西南部に荘所がおかれ,譜第(ふだい)郡司である生江氏一族が経営に関与した。藤原仲麻呂政権下では仲麻呂と東大寺の対立や船王や国司の一族,農民などによる寺田蚕食・用水妨害が生じて経営は難航した。道鏡政権下では寺領が回復され一円化も進んだが,10世紀末までには荒廃。766年(天平神護2)の絵図が現存。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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