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遠近法(えんきんほう)

風景や物象の距離感を平面上に描き表す絵画技法。ある一点からみた対象を科学的に正確に表す透視図法による線遠近法と,色彩の濃淡や調子で表現する空気遠近法とがある。日本では絵巻物などのやまと絵において,線遠近法とは反対に,遠くへいくほど大きく描く逆遠近法が用いられた。18世紀になってオランダや中国の絵画を通してもたらされたヨーロッパの遠近法に,日本人ははじめて主体的興味をむけた。まず透視図法がとりいれられ,眼鏡絵・浮絵(うきえ)が流行し,やがて葛飾北斎・歌川広重らが浮世絵で用いるようになった。また平賀源内を指導者とした秋田蘭画の画家や司馬江漢(しばこうかん)らは,銅版画などを通して西洋画法を学び,遠近法を用いて洋風画を描いた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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