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江戸打ちこわし(えどうちこわし)

江戸の下層都市民が米屋などを打ちこわした事件。(1)1733年(享保18)1月前年の凶作による米価騰貴を原因に,30・31年幕府の米価引上げ政策に積極的に加担した下り米問屋高間伝兵衛宅を2000~3000人で打ちこわしたもの。(2)1787年(天明7)5月天明飢饉による米価騰貴を原因に,江戸市中の米屋をはじめ質屋・酒屋など900軒以上が打ちこわされた事件。最盛期の20~23日にかけて江戸は無警察状態に陥った。当時幕府は前年に田沼意次が老中を罷免され,政治は停滞状況にあったが,この事件を契機に田沼につながる勢力が追放され,松平定信の老中入りが実現した。(3)1866年(慶応2)5・6月,第2次長州戦争による政治不安・物価騰貴のなかで,米屋を中心に横浜商いの商人も打ちこわしをうけた事件。直後に発生する武州一揆とともに幕府に衝撃を与えた。9月にも下層民が集結したが,大規模な打ちこわしにはいたっていない。これらの事件は幕府の膝元で発生したため,幕政に多大な影響を与えた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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