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駅制(えきせい)

律令国家により設定された公的交通制度。京を中心に諸国を結んで東海・東山・北陸・山陰・山陽・南海・西海各道の駅路を設定し,一定距離ごとに駅をおいた。駅には駅馬などが設置され,駅戸から徴発された駅子(えきし)が労役を負担した。駅の財源は,はじめ駅起稲(えききとう)・駅起田が設けられたが,のち正税があてられた。駅戸のなかから駅長が任命され,国司の管下に駅を管理・運営した。駅鈴を付与された駅使が駅馬に乗り,食料の供給をうけて通行した。改新の詔に駅馬の設置がみえるが実態は不明。伊場遺跡出土木簡に「駅評人」がみえ,7世紀後半から駅制の整備が進んだらしい。8世紀後半から交通量の増大などで駅戸の負担過重となり,伝馬制とあわせて再編が進んだ。平安時代後半には崩壊していった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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