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絵因果経(えいんがきょう)

釈迦の過去世での善行(本生譚)と現世での伝記(仏伝)との因果を説いた「過去現在因果経」という4巻の経典を,8巻の絵巻物仕立てにしたもの。紙面を上下にわけ,下段に経文を,上段にはその内容を絵画化して表す。書写が盛んに行われた奈良時代の作例として醍醐寺本ほか系統の異なる4巻がわずかの部分しか残っていない零本(れいほん)の形で現存。その後も室町に至るまで各時代で制作され,とくに鎌倉時代の作は奈良時代のものに対して「新絵因果経」とよぶ。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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