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永楽通宝(えいらくつうほう)

永・永楽・永楽銭とも。中国明の銅銭。成祖永楽帝治下の1408年初鋳。日明貿易によって大量に日本に流入し,国内でも精銭として通用した。15世紀末期以降,他の明銭が悪銭化するなかで価値は一時不安定になったが,最終的には精銭に準ずる地位を保った。とくに東国では,16世紀半ば以降,旧来の精銭の2倍の通用価値を付与され,田畠からの収益量を永楽銭換算の金額によって表示する永高制が広がるなど,基準通貨として位置づけられた。江戸幕府もはじめこれを踏襲したが,1608年(慶長13)使用を禁止し,銭貨を鐚銭(びたせん)と同価値である寛永通宝に統一した。以後,永は金貨計算の単位として用いられるのみとなった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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