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文正草子(ぶんしょうそうし)

室町物語の庶民物。作者不詳。室町時代に成立。常陸国鹿島大明神の大宮司に仕える文太は,主人に追放されるが製塩業で長者となり,「文正つねをか」と名のる。文正夫婦は鹿島大明神に願をかけ2人の娘を授かる。姉妹は美しく成長するが,関八州の大名,大宮司の子,国司らの求愛をうけつけない。うわさをきいた関白の子二位の中将は,商人に身をやつし文正の館を訪れ,身分を明かして姉と契りを結ぶ。姉は中将とともに上京,妹は天皇の中宮となり,文正も宰相の位に上り一門は繁栄する。「大黒舞」などと同様,正月の祝儀の場で読まれた祝儀物の代表作。「日本古典文学全集」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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