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墳丘墓(ふんきゅうぼ)

弥生時代に発達した墳丘をもつ墓。方形周溝墓・前方後円形周溝墓・前方後方形周溝墓・方形台状墓・四隅突出墓などを含む墳墓の総称。立地・形態・規模・埋葬主体・副葬品・供献土器など,地域・時期ごとの多様な特色があり,地域色が濃厚。埋葬には土壙(どこう)・木棺・甕棺(かめかん),木槨状・竪穴(たてあな)式石室状の施設などが用いられる。副葬品は少ない。佐賀県吉野ケ里遺跡の弥生中期の墳丘墓は,甕棺墓群中にあって際立った存在であり,弥生後期の岡山県楯築(たてつき)遺跡に代表される墳丘墓は,前期古墳同様に集落から離れた丘陵上に位置する。墳丘墓の消長は弥生墓制が集団墓から個人墓を指向する過程で,より有力な首長層が台頭してきたことを示す。前方後円墳として定形化した前期古墳との較差はなお大きいが,その前史として重要な意味がある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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