1. 用語
  2. 日本史 -ふ-
  3. 文官任用令(ぶんかんにんようれい)

文官任用令(ぶんかんにんようれい)

1893年(明治26)10月に公布された一般文官任用資格に関する勅令。87年に文官試験試補及見習規則が制定され,官吏の試験任用が原則となっていたが,大日本帝国憲法の制定,第2次伊藤内閣の行政整理をうけて試験任用制度の整備をはかった。奏任官は高等文官試験,判任官は文官普通試験による任用とする原則を強化し,帝国大学卒業生の高等試験免除は廃止されたが,官公立中学校卒業生の普通試験免除は存続した。勅任官については自由任用を原則としたため,政党勢力の進出がみられた。そこで99年第2次山県内閣は文官任用令改正により特定の官職以外の勅任官については,奏任官からの登用を原則とする資格制限を設けたが,護憲運動を背景とする第1次山本内閣で特別枠拡大の改定がなされた。その後も藩閥政府と政党との綱引きがくり返された。第2次大戦後の1946年(昭和21)廃止。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう