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浮浪・逃亡(ふろう・とうぼう)

浮逃(ふとう)とも。律令制下の農民が,正当な理由なくして本貫地を離れ,他所にある状態。本貫・居住地の一致が律令の原則なので,浮浪はそれ自体不法な状態であるが,さらに課役を出さない場合は一段と重い逃亡の罪をもって論じると規定されている。現実には,律令国家は浮浪・逃亡を一括して扱うことが多く,たびたび格(きゃく)を発して浮浪人の本貫送還を図った。のちに現住地での編付方式や浮浪人帳による戸籍枠外での把握など,律令の原則から離れ,実情にあわせた政策に転じた。浮浪人も一つの身分となり,8世紀末頃には積極的に農業経営を展開する者も現れた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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