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不輸不入(ふゆふにゅう)

不輸は国家への租税の一部またはすべてが免除される権利であり,不入は荘園に対する公権力の介入を拒絶する権利。不輸と不入は別個の特権であるが,平安後期の有力寺社領荘園などが立券荘号にあたり両方の権利を獲得したため,一つの用語として使用された。不輸は古代の不輸租田に由来し,10世紀以降の荘園では一般化する。当時の荘園には,公田官物の免除をうけたものと,雑役(ぞうやく)の免除をうけたものとがあったが,ともに租税の一部を免除された特権をもつので不輸であった。不入の権は,それらの荘園が平安後期に領域型荘園として立券荘号されるに際して,有力寺社領を主対象に官使や国使の不入が認められたものであり,官物と雑役がともに免除される場合が多かった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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