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踏絵(ふみえ)

キリシタン検索のための絵踏(えぶみ)に使用された対象物。はじめ紙に描かれた聖画像や銅製のクルス・メダルなどが使用されたが,長崎奉行所ではそれらを板にはめ込んだ板踏絵10枚が使用された。17世紀中頃の大村郡崩れ・豊後崩れ・濃尾崩れなどキリシタン露顕を契機とするキリシタン弾圧にともない,1669年(寛文9)長崎奉行河野権右衛門は,長崎本古川町の仏具師萩原祐佐に命じて真鍮製の踏絵20枚を作製させた。以後九州では長崎奉行の強力な指導のもとで,奉行所管理の踏絵計30枚が九州諸藩に貸し出され,絵踏が制度化された。現在,この踏絵は1枚を除き東京国立博物館が所蔵する。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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