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太占(ふとまに)

卜占(ぼくせん)の一種。太は称辞。古代人は人事・自然現象ともに神意により発現すると考え,その神意をうかがうことを太占といった。牡鹿の肩骨を波波迦(ははか)の木皮を炭火にしたもので焼き,町形に現れる割れ目により占うのが通例である。肩焼もしくは亀卜(きぼく)の対で鹿卜(ろくぼく)ともいい,天児屋根命に奉仕させたと伝えられる。「日本書紀」に伊奘諾(いざなき)尊と伊奘冉(いざなみ)尊が蛭児(ひるこ)を生んだとき,太占を行ったとみえており,古い時代には盛んに行われたが,時代が降るにつれてすたれ,亀卜に代わっていった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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