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風土記(ふどき)

奈良時代に国別に編纂された地誌。713年(和銅6)に,各国の郡郷名に好字をつけることを命じるとともに,国内の産物や地味,地名の由来や古老の伝える昔話などを報告するよう官命が下り,諸国ではこれをうけて解(げ)のかたちで上申した。これらの解文,あるいは各国に残されたその副本が,中国の地誌の名称の影響で風土記と称された。現在まとまったかたちで残るのは,常陸・出雲・播磨・肥前・豊後の5カ国の風土記で,このほか二十数カ国の風土記の逸文が諸書に引用される。内容はほぼ上記の官命に対応するが,「古事記」「日本書紀」とは異なる地方独自の神話・伝説なども含まれ,古代の地方社会を知るうえで貴重である。「日本古典文学大系」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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