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仏印進駐(ふついんしんちゅう)

太平洋戦争前の日本軍によるフランス領インドシナへの進駐。北部進駐と南部進駐の2段階からなり,日本の南進政策の具体化として英米の強い反発を招いた。(1)北部進駐。第2次大戦でのフランスの対ドイツ降伏をうけて,日本は援蒋ルート閉鎖の監視と基地確保を狙って交渉を開始した。1940年(昭和15)8月30日,松岡洋右(ようすけ)外相とアンリ大使の間で松岡・アンリ協定が東京で成立し,日本軍はトンキン州の4飛行場を使用できるようになった。このことは,中国を裏面からおびやかすだけでなく,フィリピン,インドに対しても重大な脅威となった。アメリカは9月26日屑鉄の対日全面禁輸をもって応じた。(2)南部進駐。日米関係の悪化とともに,日本は南方作戦基地確保のためフランスのビシー政権との交渉に入り,41年7月29日,日仏議定書が調印された。アメリカは7月25日に対日資産凍結令,8月1日に対日石油禁輸の経済制裁措置をとった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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