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札差(ふださし)

蔵宿(くらやど)とも。江戸時代,幕府の御米蔵がある浅草御蔵前あたりに店舗を構え,旗本・御家人の代理として蔵米(扶持米)を受け取り,それを売却して手数料をえた商人。のちには蔵米を担保として金融を行った。17世紀中頃から始められたようだが,1724年(享保9)7月に109人で株仲間をつくることが公許され,一時期を除いて3組が結成された。札差はわずかな札差料・払米手数料よりも,旗本・御家人に対する金融で莫大な利益をえ,18世紀後半には蔵前風とよばれる通人の風俗も生んだ。しかし,たびたび発令された棄捐令(きえんれい)や利子引下令などでしだいに利益が減少し,維新期に廃絶した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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