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藤原不比等(ふじわらのふひと)

生没 659~720.8.3 奈良初期の公卿。鎌足(かまたり)の次男。母は車持国子(くるまもちのくにこ)の女与志古娘。本来名は史と記し,養育された田辺史大隅の史姓に由来。689年(持統3)判事に任じられる。698年(文武2)藤原姓の独占的使用を認められ,鎌足の政治的遺産を継承。701年(大宝元)正三位に叙され,大納言に昇る。708年(和銅元)右大臣に至り,左大臣石上(いそのかみ)麻呂の没後は太政官の首班となる。大宝律令制定を主導し,養老律令撰定も主宰。元明天皇即位,平城遷都の主唱者と目される。没後に太政大臣正一位を贈られ,淡海公と称せられた。東大寺献物帳に記す黒作懸大刀の由緒は,不比等と皇室草壁直系の密接な関係を示す。4男子は中央政府で活躍し,女には文武天皇の夫人宮子,聖武天皇皇后の安宿媛(あすかべひめ)(光明子),長屋王の妾などがいる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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