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武州一揆(ぶしゅういっき)

1866年(慶応2)武蔵国一帯に発生した世直し一揆。開港以降の諸物価高騰,第2次長州戦争の兵糧米徴収などによって生じた米価高騰に苦しむ貧農・貧民らが,世直しを標榜して米価値下げ,施米・施金要求,質地・質物返還を求め,米屋・質屋・生糸仲買人(浜商人)らの富商・豪農を打ちこわした。打ちこわし軒数は500軒以上におよぶが,とくに横浜貿易にたずさわる浜商人は物価騰貴の元凶として徹底的に打ちこわされた。秩父郡の百姓らによる高麗郡飯能町打ちこわしを発端とする一揆は連鎖的に広がり,武蔵国15郡と上野国2郡を席巻したが,幕府・諸藩の軍隊や農兵隊らによって武力鎮圧された。同年に発生した陸奥国の信達(しんたつ)一揆や江戸・大坂の打ちこわしなどとともに,幕藩領主に深刻な打撃を与えた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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