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伏見宮(ふしみのみや)

北朝の崇光(すこう)天皇の第1皇子栄仁(よしひと)親王に始まる宮家。1352年(文和元・正平7)崇光天皇の退位をうけて弟の後光厳(ごこうごん)天皇が即位したが,のちに崇光上皇は,持明院統の正嫡である親王の即位を望んで室町幕府に働きかけた。上皇は願いをはたさぬまま死去,親王は出家を余儀なくされた。また父から伝領した長講堂(ちょうこうどう)領以下の持明院統の所領を朝廷に没収されたが,山城国伏見荘などの若干の所領を回復。その遺跡は,子の治仁王,ついで貞成(さだふさ)親王(後崇光院)が相続した。1428年(正長元)称光天皇に皇嗣がなく,貞成の子彦仁王が後小松天皇の猶子(ゆうし)に迎えられて即位,後花園天皇となった。これによって宮家としての立場が安定し,代々親王宣下をうけ,1947年(昭和22)まで続いた。「伏見宮記録文書」を伝える。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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