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藤田幽谷(ふじたゆうこく)

生没 1774.2.18~1826.12.1 江戸後期の儒学者。常陸国水戸藩士。後期水戸学の創始者。名は一正,字は子定,通称は熊之介・与介・次郎左衛門,幽谷は号。古着商の次男で,彰考館総裁立原翠軒(たちはらすいけん)に入門。1788年(天明8)彰考館に入り91年(寛政3)編修となり,「大日本史」編纂に従事。同年「正名論」を執筆。97年,藩政の現状を批判した「丁巳封事」を藩主に呈出して不敬の廉で謹慎処分となる。のち許され,1807年(文化4)彰考館総裁に就任,翌年郡奉行。藩政と対外情勢に強い危機感をもち藩政の改革理論を藩祖「威・義二公の精神」に求め,人材養成に力を尽くした。他方「大日本史」編纂をめぐる翠軒との対立は,のちの党争の起因をなした。著書はほかに「勧農或問」。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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