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武家伝奏(ぶけてんそう)

�@伝奏とも。室町時代,幕府と朝廷の交渉を仲介した役職。はじめは武家執奏(しっそう)の役割であったが,足利義満期には武家伝奏に引き継がれた。伝奏には日野・広橋・万里小路(までのこうじ)・勧修寺(かじゅうじ)・中山などの諸家が任じられ,1~3人が任にあたった。任命権は朝廷にあったが,実際には幕府・足利将軍の室町殿の意向によって任命され,公家の訴訟をとりついで決裁を仰いだり,室町殿の仰せを奉じた文書である伝奏奉書を発給するなど,室町殿による王朝支配の一翼を担った。しかし,この関係は嘉吉の乱を契機に変化した。�A伝奏とも。江戸時代に幕府と朝廷との交渉にあたった役職。広橋兼勝・勧修寺光豊以後,廷臣2人が常置された。任命権は天皇にあったが,当初は幕府の奏請によって定められた。職掌は,幕府との交渉のほか,関白とともに朝議を取り仕切るというもので,きわめて重職とされた。補任(ぶにん)に際し,京都所司代に血判の誓紙を提出した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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