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福岡藩(ふくおかはん)

筑前国福岡(現,福岡市)を城地とする外様大藩。豊臣秀吉の九州平定後,小早川隆景・同秀秋をへて,1600年(慶長5)豊前国中津から黒田長政が入封して成立。以後12代にわたる。黒田氏は城地を小早川氏の名島から福崎に移し,福岡と改称。藩領は怡土(いと)郡の西部を除くほぼ筑前一国で50万2000石余。のち分知などにより,47万3000石余。32年(寛永9)家老栗山大膳が2代藩主忠之を訴えた黒田騒動がおこるが,幕府は黒田氏の所領を没収したうえ再安堵した。41年長崎警備の幕命をうけ,以後佐賀藩とともに1年交代で勤める。生蝋・石炭・鶏卵などは藩専売品。詰席は大広間。藩校修猷(しゅうゆう)館・甘棠(かんとう)館。支藩に秋月・東蓮寺(直方(のおがた))両藩があった。1864年(元治元)の禁門の変後,一時幕府と萩藩の斡旋に努めるが,結局佐幕の立場に徹した。70年(明治3)の太政官札贋札事件で,翌年黒田長知は藩知事を免職される。廃藩後は福岡県となる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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