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フェートン号事件(フェートンごうじけん)

1808年(文化5)長崎湾内にイギリス軍艦フェートン号が侵入した事件。当時オランダはイギリスと戦争状態にあるナポレオンの占領下で,フェートン号もバタビアから長崎におもむくオランダ船の攻撃を目的としていた。オランダ国旗を掲げて長崎に入港した同号は出迎えた商館員を捕らえ,港内にオランダ船がいないことを確認すると,日本船・中国船を焼き払うと脅迫して食料・薪水を要求。同号は3日後に退去したが,長崎奉行松平康英(やすひで)は切腹,また当時の警備担当藩であった佐賀藩主鍋島斉正(なりまさ)も閉門100日間の処罰をうけた。この事件は異国船打払令発令の一要因となった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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