笛(ふえ)

管楽器の総称。「和訓栞(わくんのしおり)」によれば吹枝(ふきえ)を語源とし,「日本書紀」や「古事記」に初見。広義には石笛(いわぶえ)や土笛,シングル・リードの笙(しょう),ダブル・リードの篳篥(ひちりき),リードのない尺八,歌舞伎のさまざまな擬音笛も含めて笛とよび,狭義には横笛を意味することが多い。日本の横笛には東遊(あずまあそび)や神楽(かぐら)歌などで使う6孔の神楽笛,雅楽の7孔の竜笛・高麗(こま)笛,能の7孔横笛(能管),祭囃子(まつりばやし)の7孔や6孔の篠笛,沖縄音楽で使う7孔のファンソウがある。近世までに発展した横笛に共通する構造特性は,煤竹(すすだけ)を素材とし指孔の間に桜皮を細く裂いた紐を巻き,管内部に漆を塗り調律している点である。能管は,歌口(吹口)と第1孔の間に細い竹管を差しこみ音律に変化を与えている。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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