1. 用語
  2. 日本史 -ふ-
  3. 風俗画(ふうぞくが)

風俗画(ふうぞくが)

風俗を主題とする絵画作品。日本では16世紀に始まる。風俗描写自体は,古代以来,月次絵(つきなみえ)や名所絵・絵巻物などに数多くみられたが,風俗描写が前面に押しだされてくるのは室町時代の後半頃で,独立した風俗画の誕生となる。桃山時代から江戸初期の近世初期風俗画は襖絵(ふすまえ)や屏風絵を中心に展開。洛中洛外図をはじめとする各種の風俗画が,上方でおもに狩野(かのう)派を中心に制作されるが,しだいに関心の対象をしぼりこみ,個々の人物そのものへ目をむけるようになる。同時に,風俗画の担い手は民間の絵師たちへと移行していく。17世紀後半に至って風俗画の中心は江戸に転じ,浮世絵師によって継承・発展した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう