藩閥(はんばつ)
明治・大正期に行政官庁・枢密院・陸海軍・貴族院などで大きな力をもった,旧藩に由来する地縁的政治集団。狭義には長州・薩摩両藩出身の指導層をいう。土佐・肥前や公家・幕臣・御三家出身者を含めることもある。広義には他地域出身者を含めて中堅の一般官僚や指導者の個人派閥の構成員までを含む。はじめは薩長出身者の比率が高かったが,大久保利通・木戸孝允没後の再編や官僚の試験採用制などでその割合は低下し,明治後期の政官界では長州閥を中心にしだいに官僚閥(山県閥・山県系)へと移行し,政党容認派は伊藤系にまとまっていった。陸軍では長州閥,海軍では薩摩閥が昭和初期まで残り,政官財界でも薩摩閥が小型化した薩派が昭和期まで残っていた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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