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飯場制度(はんばせいど)

第2次大戦前の鉱山における鉱夫統轄制度。主として金属鉱山や北海道の炭鉱などで採用され,九州の炭鉱などの納屋(なや)制度も同質。その本質は労務供給に関する中間請負制度で,経営と鉱夫との関係は実質的に間接雇用であった。飯場頭が労働の指揮,鉱夫の募集,鉱夫生活の管理を所属経営者から請け負い,その報酬として鉱夫の賃金総額に応じた手数料を受け取り,鉱夫賃金を代受し,飯場の経営を行った。鉱夫の虐待,飯場頭の勢力争いなどの弊害をともなったためしだいに改善され,明治期後半から廃止する鉱山も出現。1920年代に労働運動の台頭,政府からの行政介入,坑内作業の機械化の進展,鉱夫管理体制の改革がみられ,有力鉱山では飯場制度が最終的に廃止された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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