坂東八平氏(ばんどうはちへいし)
平安後期以後,相模・武蔵・上総・下総一帯に勢力をふるった桓武平氏系の中世武士団の総称。八平氏は後世の呼称で,平良文流の相模中村・土肥・秩父(党)・千葉・上総,平良茂(よしもち)流の三浦,鎌倉党の大庭(おおば)・梶原・長尾などの諸氏をさすが,数え方は一定しない。いずれも1国から数郡規模の大領主で,三浦介・上総介・留守所惣検校など国衙在庁職や郡司職を勤め,職権にもとづいて国内の中小武士団(党)を支配。源頼義以来,源氏棟梁に臣従する諸氏が多く,鎌倉幕府創設の原動力となった。有力な関東御家人を輩出したが,北条氏とその同盟者安達・足利両氏に抑圧されてしだいに勢力を失い,14世紀半ば,平一揆(へいいっき)の敗北により事実上滅亡した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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