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班田農民(はんでんのうみん)

律令制下の一般農民をさす,昭和期に創出された学術用語。班田収授の対象となって,口分田(くぶんでん)を班給されたことによる呼称。農民は一般に竪穴住居に住み,4~5軒で郷戸(ごうこ)を形成し口分田・乗田・墾田などでの農業生産にあたった。日常的には房戸(ぼうこ)程度の単位での生活が可能だったが,田植や収穫時には郷戸をこえる規模の労働力を必要とした。調庸のほかに,雑徭(ぞうよう)・仕丁(しちょう)・兵士・出挙(すいこ)・義倉・運脚などの負担が大きく,生活はきびしかったが,8世紀後半から資力を蓄える者が現れ始め,富豪・田刀(たと)(田堵)とよばれるような有力農民に分化していった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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