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版籍奉還(はんせきほうかん)

幕藩体制解体の過程で実施された土地(版)・人民(籍)の朝廷(天皇)への返上政策。藩主が返還を願い出て,朝廷が聴許するというかたちがとられた。1868年(明治元)11月の姫路藩主の願いが最初。木戸孝允(たかよし)・大久保利通(としみち)らが推進役となり,翌年1月20日に薩長土肥の4藩主が連名で版籍奉還の上表文を朝廷に提出し,続いて他の藩主たちもこれにならった。上局会議や公議所の討議というかたちを整えたうえで6月17日から聴許,建白書未提出の14藩主には奉還を命じ,最終的には274の全藩主が奉還した。藩主はあらためて知藩事に任命され,地方長官として藩政を委任された。70年9月布告の藩制により藩の組織などを細部まで統一して各藩の藩政改革を促したが,71年7月に廃藩置県となった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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