藩政改革(はんせいかいかく)
江戸時代,内外の危機に直面した諸藩が,その危機を克服するために行った政治刷新の動き。改革は前期・中期・後期・幕末期と江戸時代を通じて各藩で実施され,危機の内容も家臣団の分裂と対立,支配機構の弛緩と動揺,藩財政の窮乏や凶作などによる領民の疲弊,百姓一揆・打ちこわしの高揚などさまざまで,後期には外国船の来航による国際的危機の激化が加わる。危機を打開するための改革の主体や政策も時期や藩によって異なる。前期の改革では会津藩の保科(ほしな)正之,水戸藩の徳川光圀(みつくに),金沢藩の前田綱紀(つなのり),岡山藩の池田光政らの改革,中期では米沢藩の上杉治憲,熊本藩の細川重賢(しげかた)らのいわゆる名君の活躍がめだつ。天保期以降では萩・鹿児島・佐賀・高知などの西南雄藩における軍事力強化を含む改革の実施が注目される。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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